私には今のベンチャー会社に同じ時期に入社した同期がいる。
40前の2歳差なので誤差レベルと言っていい歳の差だ。
同じ業界で飯食ってきたご同輩でもある。
ただこの男、とにかくやばい。なにがって、仕事がやばい
・言った通りの事ができない。
・正しく言葉を聞き取れない。
・正しく言葉を伝えられない
・ビジネスマナーが全然出来てない
・とにかく仕事や作業の目的を分かろうとしない
など色々と上げるればキリが無いレベルに仕事が出来ない。
実は私もこの業界に入ったのが遅い上に下積みが長かったので2回目の転職(31歳の時)の時は歳の割にスキルが全然おいついてなくて悔しい思いをした事がある。
30前後の時の私もも同じ様な状態だったのだとは思う。
そういう意味では入社して三か月くらいは昔の自分に似てるなと思っていた。
ただ時間が経つにつれ、彼と私で決定的に違うものが分かってきた。
それは「謙虚さ」である。
本人で自分は謙虚であると言うのもいかがなものかとは思うが、態度のあり方とかそういう意味でもとにかくひどい。まずしったかぶりをして余計な事を3言くらいは言うし、人が助言しても完全無視。むしろ入ってくるな状態だった。
同年齢の人間はライバルか下にしか見ていない。
元々居た有識者には敬語は使って聞きに行くけど、本人的には「下手に出てよう」というのが見え見えである。
とにかくプライド高すぎるのがありありとわかる。
ただ、仕事が出来ない、会話が通じない、聞き取れないのは明確で次第に周りの動きもそれに合わせた動きになる。
まずお願いした事がきちんと出来ない上に会話が通じないのだから嫌でもそうなるよな・・・・。
入社してわずか半年で置かれている立場は大分変ってしまったのは事実。
ついでに私が彼の上司になってしまった。
面白いのは上司になった瞬間に極端なくらい下手に出るようになってきた。
それでもプライド高いのは全然見え隠れしていた。
さすがに最近あまりに仕事が出来ないので自分自身が実は仕事が出来ない事に気づいて来たふしはある。
しかし時既に遅し
正直それまで相当な数のアドバイスをしてきた。
電話の応対や、仕事に対する姿勢。SEとして本番作業への気構えや注意事項。
作業をやる上で気を付ける事や、上司がどういう所をよく見てるかとか。
同僚としてアドバイスをしてきたつもりだが、全て無視してきたのだからすぐに身につくわけない。
面倒見いいよねと言われるまでは言い続けてきたつもり。
上司になってからはまた言うようにしてるけど。
その全てが「謙虚さ」の一言に集約されると思う。
仕事への謙虚さは大事だよ。
目的を理解して作業し、間違ってたらごめんなさい、ありがとうございます。
一つの仕事が終わってもありがとうございます。次はここを気を付けます。
一つ一つの作業をきっちりこなしていっただけ。(一応PMや上級SEもしたので作業だけではないけど)
ただ彼はそれだけの事が出来なかった。
今までどういう仕事してたらこのレベルの人間が生まれるのかがよくわかららない。
彼は今後どうなるのだろうか。
うちベンチャーだから、使えないとわかったら即部署異動もある。
給与の見直しもきっちり入るだろう。
おそらく本人はそこまではありえんとでも思っているのだろうか、あまり気にはしていない様子。年明けにその話が上がっているのだけど・・・・
今日は今日で今期の目標設定がちゃんとしたものが出てこないので作業をブレイクダウンして伝えてから、一旦私の方でレビューして欲しい上司から頼まれた。
当然私の仕事ではないのだからすまんと言われたけど。
しょうがないから本人に、次期のポジションをちゃんと伝えて、それに合わせてこういう感じの内容にしてみたら?っと概要渡したら
私の書いた内容をのまま転記して、むしろ少しわかりにくくなって修正して持ってくるし。いや、自分の言葉で書けよ。
37歳が開発スキルの向上とかいう漠然とした内容を人材育成に上げるとかないでしょ。自己啓発かチームのために何かする勉強を上げろと言ったら何も変えないで出してきた。
正直舐められすぎてて頭来た。差し戻したけど。
彼に未来はあるかというと、年とプライドの高さとベンチャー気質な社風から多分厳しいんだろうなとは思う。
話は変わるが、私の人生の最も大事な時期は31歳~34歳までのユーザー系SIERでの職場だと思う。
大手百貨店のシステムを全て受けている子会社だ。
31歳に入社したが、周りは年下の人達ばかり。
しかも想像以上に自分が仕事が出来ない事を痛感させられた。
会話も通じない、ついていけない。
とにかく入った部署に人間が26-45歳の人までいたけども、全員頭がよかったのだ。
別部署の人もそう。
年下に「そろそろ分かるようになってほしいんですけど」っと言われたのは未だに覚えている。顔に蕁麻疹も出来た、過呼吸で一度倒れた事もある。
それでもすいません、ありがとうございますを言い続けてガムシャラに頑張った。
3年が経ったころ、皆に飲み会に誘われるようになり、一人で仕事が出来る様になり、部署異動の時はいつでも戻ってきてくださいと皆から言われたのは嬉しかった思い出。
あの3年間は人生の宝だったと思っている。
彼にはその時間がなかったのだ。
リカバリをしたいなら今を必死に頑張るべきだと私は思う。
ただ時間はあまりない。